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■ 企業理念
空間を科学する
■ ご挨拶
個人事業者として開業した弊社は、2006年に法人格を取得し、現在に至ります。
今日まで紆余曲折を経ながらも、2016年の文化財庭園の整備事業を皮切りに、
予てからの悲願であった文化財事業に携わることができています。これは、たくさんの方の助けと支えのおかげでございます。
私だけでは決してここまで来ることはできなかったでしょう。
あらためて、人と人との繋がりで、この仕事ができていると実感しております。
ここで終わりではありません。
今後も初心を忘れず、文化財庭園の保存に微力ながら貢献してまいりたく存じます。
拙い文章ではございますが、私たちの向かう道とは何か、下記をもってご挨拶に代えさせていただきます。
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庭を「空間」として捉えるということ
手入れというと、木々を単木ごとに整えきれいにする、というイメージが強いと思われます。
しかしながら、木々の一本一本はあくまで全体空間における一部分にすぎません。
焦点を絞るのではなく、あらゆる要素の集合体により庭園が構成されていると捉えることで、
より自然で調和のとれた美しい「空間」の成立が可能となると考えております。
私たちは「空間を美しくおさめる」ことを日々追及しています。
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文化財庭園における「地域の特性を活かした」整備
私たちは芸術:アートとしての作為的な整備はいたしません。
本来そこにあるはずのない要素を新たに組み込んでしまうと、その瞬間から私たちの作品となってしまうからです。
主役となるのは私たちではなく、もともとそこにあった空間です。
今あるものをどうしたらもっと美しく、本来の魅力を発揮させることができるか。ただそれだけを考えています。
"こうあるべき"と意図的に生み出した造形美ではなく、
樹種の特性はもちろんのこと、地域性に重きを置いた手入れをすることで、
その場所が本来持っているポテンシャルを最大限に引き出すことを大切にしています。
例えば、鎌倉の地域的な特色として、第一に岩盤壁があげられます。
この岩盤壁を穿って造られたやぐらは、かつて墓や祈りの場として使用されていました。この岩盤に包まれた寺院空間を復活させることは、鎌倉「らしさ」を表現する(取り戻す)ことでもあると思います。(もちろん、視覚化できる安全対策を求めてもいます)地域性に焦点を当てることで、均一化されつつある都市からその地域・場所が紡いできた文化や歴史の保存・継承に繋げていくことを大切にしています。
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